ドバイ不動産のローン・モーゲージ完全ガイド【2026年版】非居住者でも融資可能?

「ドバイの不動産はフルキャッシュでしか買えないのでは?」「日本人でもドバイの銀行でローンを組めるの?」そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、日本人を含む外国人でも、ドバイの銀行で住宅ローン(モーゲージ)を組むことが可能です。UAE中央銀行(CBUAE)の規制のもと、居住者・非居住者それぞれに融資枠が設定されており、Emirates NBDADCBなどの主要銀行が外国人向けのモーゲージ商品を提供しています。

さらに、銀行ローン以外にもデベロッパーが提供する分割払いプラン(ペイメントプラン)という選択肢もあり、投資戦略や手元資金に応じて最適な資金調達方法を選べます。

この記事でわかること

  • ドバイの住宅ローン(モーゲージ)制度の基本と仕組み
  • UAE中央銀行が定めるLTV(融資比率)の規制内容
  • 居住者と非居住者で異なる融資条件の違い
  • 主要銀行の金利比較(2026年2月時点の参考値)
  • 必要書類と審査プロセスの全体像
  • 日本人が注意すべきポイント(海外送金・信用スコア等)
  • デベロッパー分割払いプランとの比較
  • オフプラン物件でのローン利用可否

本記事では、ドバイ不動産の購入方法を検討している投資家の方に向けて、モーゲージ(住宅ローン)の制度・条件・銀行比較から、日本人ならではの注意点まで徹底的に解説します。

目次

ドバイの住宅ローン(モーゲージ)制度の基本

まずは、ドバイの住宅ローン制度の全体像を理解しましょう。日本の住宅ローンとは異なる点が多いため、基本的な仕組みから確認していきます。

ドバイのモーゲージとは?日本の住宅ローンとの違い

ドバイの住宅ローンは「モーゲージ(Mortgage)」と呼ばれ、銀行が物件を担保に購入資金を融資する仕組みです。基本的な構造は日本の住宅ローンと同じですが、いくつかの重要な違いがあります。

項目ドバイのモーゲージ日本の住宅ローン
金利タイプ固定金利(初期2〜5年)+変動金利が主流全期間固定・変動・ミックスから選択
最大返済期間25年(またはローン完済時65歳まで)35年が一般的
頭金(最低)物件価格の20〜50%物件価格の10〜20%
金利水準年3.5〜6%(2026年2月時点の参考値)年0.3〜1.5%(変動金利)
所得税控除なし(そもそも所得税がない)住宅ローン控除あり
基準金利EIBOR(エミレーツ銀行間取引金利)短期プライムレート等
鈴木 結

ドバイのモーゲージは日本と比べると金利が高めですが、所得税がゼロのため手取り収入が多い点を考慮すると、実質的な負担感は異なります。また、賃貸利回りが年5〜8%と高いため、投資用物件であればローン金利を上回るインカムゲインが見込めるケースも多いですよ。

外国人でもローンを組める?基本的な適格条件

ドバイでは、外国人(非居住者を含む)でもモーゲージを組むことが可能です。ただし、以下の基本条件を満たす必要があります。

モーゲージの基本適格条件

  • 年齢:21歳以上(ローン完済時65歳以下)
  • 雇用形態:会社員または自営業者で安定した収入がある
  • 最低年収:非居住者の場合、月収3,000〜5,000 USD相当(約45〜75万円)以上
  • 対象物件:フリーホールドエリアに所在する完成済み物件が基本
  • 物件用途:居住用または投資用(銀行により条件が異なる)

日本人の場合、日本での安定した収入(給与所得や事業所得)があれば、非居住者としてモーゲージの審査に進むことができます。ただし、審査基準は銀行によって異なるため、複数の銀行に事前相談することをおすすめします。

コンベンショナルローンとイスラミックローンの違い

ドバイの銀行では、2種類のローン形態を選べます。

コンベンショナルローン(通常型)は、銀行が購入資金を貸し出し、借主が元本と利息を返済する一般的な形式です。日本の住宅ローンと同じ仕組みです。

イスラミックローン(イスラム金融型)は、イスラム法(シャリーア)に則り、「利息」の概念を用いない融資形態です。代表的な方式として「イジャラ(Ijarah)」があり、銀行が物件を購入して借主にリースし、リース料の支払い完了後に所有権が移転する仕組みです。Dubai Islamic Bankをはじめとするイスラム銀行が提供しており、実質的な支払額はコンベンショナルローンと大きく変わりませんが、イスラム圏の投資家を中心に広く利用されています。

日本人投資家の場合、どちらを選んでも実務上の大きな違いはありません。金利(利益率)と手数料を比較して、条件の良い方を選ぶとよいでしょう。

UAE中央銀行のLTV規制|融資比率の上限を理解する

ドバイでモーゲージを組む際に最も重要なのが、UAE中央銀行(CBUAE)が定めるLTV(Loan to Value:融資比率)規制です。これにより、物件価格に対して融資を受けられる上限が決まっています。

LTV規制の全体像(2026年2月時点の参考値)

UAE中央銀行は、不動産バブルを防ぐために厳格なLTV規制を設けています。ステータス(UAE国民/居住者/非居住者)、物件価格、購入目的によって上限が異なります。

カテゴリ物件価格1件目のLTV上限必要な頭金
UAE国民500万AED以下85%15%以上
UAE国民500万AED超75%25%以上
外国人居住者500万AED以下80%20%以上
外国人居住者500万AED超70%30%以上
非居住者500万AED以下60〜65%35〜40%以上
非居住者500万AED超55〜60%40〜45%以上

※500万AED = 約2億1,000万円(1AED = 約42円で換算)

※2件目以降の投資用物件では、LTV上限がさらに下がります(居住者で60%、非居住者で50%前後)

鈴木 結

非居住者の場合、最低でも物件価格の35〜40%の頭金が必要になります。例えば5,000万円の物件なら1,750〜2,000万円の自己資金が必要です。ただし、これは最低条件であり、実際にはもう少し余裕を持った資金計画をおすすめしています。

居住者と非居住者のLTV差を具体的にシミュレーション

同じ300万AED(約1億2,600万円)の物件を購入する場合、居住ステータスの違いで融資条件がどう変わるかを比較してみましょう。

項目外国人居住者(1件目)非居住者(1件目)
物件価格300万AED(約1億2,600万円)300万AED(約1億2,600万円)
LTV上限80%60〜65%
最大融資額240万AED(約1億80万円)180〜195万AED(約7,560〜8,190万円)
必要な頭金60万AED(約2,520万円)105〜120万AED(約4,410〜5,040万円)

このように、非居住者は居住者と比べて約1.5〜2倍の頭金が必要になります。ドバイ不動産投資を本格的に検討している場合、フリーゾーンでの法人設立による居住者ステータスの取得が融資条件の改善にもつながる点を覚えておきましょう。

オフプラン物件のLTV規制

オフプラン物件(建築中・未完成の物件)に対するモーゲージは、UAE中央銀行の規制によりLTV上限が50%と定められています。これは居住者・非居住者を問わず一律です。

ただし、実務上はオフプラン物件に対して銀行ローンを提供する銀行は限られており、多くの場合はデベロッパーの分割払いプラン(後述)を利用するのが一般的です。オフプラン物件が完成した後に、改めて銀行モーゲージに切り替える(リファイナンス)という方法もあります。

主要銀行のモーゲージ金利比較【2026年2月時点の参考値】

ドバイで外国人向けモーゲージを提供している主要銀行の金利を比較します。なお、金利は市場環境やEIBOR(エミレーツ銀行間取引金利)の変動に応じて随時変更されるため、以下はすべて2026年2月時点の参考値としてご覧ください。

居住者向け金利比較

銀行名固定金利(初期2〜5年)変動金利(EIBOR連動)特徴
Emirates NBD3.99%〜EIBOR + 1.0〜1.5%UAE最大手。商品ラインナップが豊富
ADCB4.25%〜EIBOR + 1.25%固定・変動のミックスプランあり
Mashreq3.79%〜(2年固定)EIBOR + 1.0〜1.5%プロモーション金利が競争力あり
HSBC3.89%〜EIBOR + 1.0%国際的なネットワーク。海外収入の審査に強い
Standard Chartered4.10%〜EIBOR + 1.25%非居住者向けプランも充実
ADIB(イスラム金融)4.15%〜(利益率)EIBOR + 1.2%イスラミックローン専門。イジャラ方式

※金利は2026年2月時点の参考値です。実際の適用金利は審査結果や市場環境により変動します。

非居住者向け金利比較

非居住者向けのモーゲージは、居住者向けと比べて0.5〜1.5%程度高い金利が設定されるのが一般的です。

銀行名固定金利(初期2〜5年)最大LTV非居住者対応の特徴
Emirates NBD4.99%〜60%非居住者向けパッケージあり
HSBC4.50%〜65%グローバルバンキング顧客向け優遇あり
Mashreq5.99%〜(3年固定)60%審査期間が比較的短い
Standard Chartered4.75%〜60%国際送金の対応がスムーズ

※金利は2026年2月時点の参考値です。各銀行の最新条件は直接お問い合わせください。

鈴木 結

HSBCは国際的なネットワークを持つため、日本での収入証明や資産証明の審査に慣れています。日本在住のまま非居住者としてモーゲージを検討する場合は、HSBCやStandard Charteredなど国際銀行から相談してみるのが効率的です。

固定金利と変動金利、どちらを選ぶべきか

ドバイのモーゲージでは、初期2〜5年間の固定金利+その後変動金利に切り替わるプランが主流です。全期間固定金利のプランは一般的ではありません。

金利タイプの選び方

  • 固定金利(初期2〜5年):返済額が安定。金利上昇リスクを回避したい方向け。ただし固定期間終了後はEIBOR連動に移行
  • 変動金利(EIBOR連動):EIBOR(エミレーツ銀行間取引金利)に連動して変動。金利が下がれば返済額も下がるが、上昇リスクもある
  • 実務的なおすすめ:まず固定金利で安定させ、固定期間終了時にリファイナンス(借り換え)を検討するのが一般的な戦略

2026年2月現在のEIBORは約2.8〜3.2%で推移しています。変動金利の場合、銀行のスプレッド(上乗せ幅:通常1.0〜1.5%)を加えた年3.8〜4.7%程度が実効金利の目安となります。

モーゲージの必要書類と審査プロセス

ドバイで住宅ローンを申し込む際の必要書類と審査の流れを、居住者・非居住者別に解説します。

必要書類一覧

書類居住者非居住者備考
パスポートコピー必須必須有効期限6ヶ月以上
エミレーツID必須不要居住者のみ
ビザコピー必須不要居住者のみ
収入証明(給与明細)過去3〜6ヶ月分過去6〜12ヶ月分英語翻訳が必要
銀行取引明細書過去6ヶ月分過去6〜12ヶ月分英語翻訳が必要
雇用証明書必須必須雇用形態・年収を記載
確定申告書(自営業者)過去2年分過去2年分公認会計士の証明付き推奨
物件の詳細情報必須必須SPA(売買契約書)等
既存ローンの返済明細該当者のみ該当者のみDSR計算に使用

日本在住の方は、日本語の書類を英語に翻訳・公証する必要があります。翻訳は銀行指定の翻訳会社を利用するか、公認翻訳者による英訳を用意しましょう。

審査プロセスの流れ(所要期間の目安)

モーゲージの審査から実行までの一般的な流れは以下のとおりです。

モーゲージ申請から実行までの流れ

  1. 事前相談・仮審査(Pre-Approval):約1〜2週間。必要書類を提出し、融資可能額の目安を取得
  2. 物件選定・売買契約:仮審査通過後に物件を正式決定。SPAを締結
  3. 本審査(Final Approval):約2〜4週間。物件の鑑定評価(バリュエーション)を含む
  4. 物件鑑定評価:銀行指定の鑑定士が物件価値を評価。実費で約2,500〜3,500 AED(約10.5〜14.7万円)
  5. オファーレター発行:審査通過後、融資条件を記載したオファーレターを受領
  6. ローン契約締結・登記:DLD(ドバイ土地局)でモーゲージを登記。登記料は融資額の0.25%
  7. 融資実行・物件引渡し:銀行から売主に代金が送金され、権利証書(Title Deed)が発行

全体の所要期間は居住者で約4〜6週間、非居住者で約6〜10週間が目安です。非居住者は書類の国際郵送や翻訳・公証の手間が加わるため、やや時間がかかります。

鈴木 結

まだ購入物件が決まっていない段階でも、仮審査(Pre-Approval)を先に取得しておくことをおすすめします。仮審査の有効期間は通常60〜90日間で、融資可能額がわかると物件選びの予算が明確になります。

DSR(返済比率)の基準

UAE中央銀行は、借主のDSR(Debt Service Ratio:返済比率)の上限を月額総収入の50%と定めています。これは、すべてのローン返済額(住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードの最低返済額など)の合計が月収の50%を超えてはならないという規制です。

例えば月収100万円の場合、すべてのローン返済額の合計が50万円以下でなければなりません。既存の借入がある場合はその分だけ住宅ローンの借入可能額が減るため、事前に返済状況を整理しておきましょう。

モーゲージにかかる諸費用

ドバイで住宅ローンを利用する場合、物件価格と頭金以外にもさまざまな諸費用が発生します。事前に全体像を把握しておきましょう。

モーゲージ関連の諸費用一覧

費用項目金額の目安備考
物件鑑定評価費実費で約2,500〜3,500 AED(約10.5〜14.7万円)銀行指定の鑑定士が実施
モーゲージ登記料融資額の0.25% + 290 AEDDLD(ドバイ土地局)に支払い
銀行手数料(アレンジメントフィー)融資額の0.5〜1.0%銀行によっては無料キャンペーンあり
生命保険料融資額に応じて変動多くの銀行でローン期間中の加入を必須とする
物件保険料実費で年間約1,000〜3,000 AED(約4.2〜12.6万円)火災・自然災害などをカバー

これらに加えて、不動産購入時の共通費用(DLD登録料4%、エージェント手数料2%等)もかかります。モーゲージ利用時の総費用は物件価格の約8〜10%が目安です。詳細はドバイ不動産の購入方法ガイドでも解説しています。

繰上返済の条件と手数料

ドバイのモーゲージでは、繰上返済(アーリーリペイメント)を行う際に手数料が発生するのが一般的です。

繰上返済に関する主なルール

  • 繰上返済手数料:未返済残高の1〜3%(銀行により異なる)
  • 一部繰上返済:年間返済額の10〜25%まで手数料無料とする銀行もある
  • 完済時:全額繰上返済の場合、残高の1%程度が手数料として発生するケースが多い
  • リファイナンス時:他行への借り換えも繰上返済扱いとなるため、手数料を考慮して検討すること

ドバイの不動産は賃貸利回りが比較的高いため、賃料収入で繰上返済を進めるという投資戦略も有効です。

日本人がドバイのモーゲージで注意すべきポイント

日本人がドバイで住宅ローンを利用する際に、特に気をつけるべきポイントを解説します。

海外送金の準備と注意点

頭金や諸費用をドバイに送金する際、いくつかの注意点があります。

まず、日本の銀行からの海外送金は事前準備が重要です。マイナンバーの登録、送金目的の証明書類(売買契約書のコピー等)、送金上限額の確認を事前に行いましょう。銀行によっては不動産投資目的の高額送金に制限を設けている場合があります。

送金手数料は銀行窓口で3,000〜7,500円程度、為替手数料(TTSレート)も加わります。WiseやRevolut等の海外送金サービスを利用すると手数料を抑えられる場合がありますが、高額送金には限度額があるためメインバンクとの併用がおすすめです。

鈴木 結

大手銀行の場合、1回の送金上限が500万円〜1,000万円に設定されていることが多いです。数千万円規模の頭金を送る場合は、事前に銀行の国際送金窓口で上限引き上げの相談をしておくとスムーズですよ。

信用スコア(クレジットヒストリー)の壁

ドバイの銀行はUAE国内の信用情報機関「Al Etihad Credit Bureau(AECB)」のスコアを参照します。しかし、日本在住でUAEでの金融取引がない場合、信用スコアが存在しない状態です。

この場合、日本での信用情報を補完資料として提出する必要があります。具体的には以下の対応が考えられます。

信用スコアがない場合の対応策

  • 日本の銀行取引明細を長期間分(6〜12ヶ月)提出し、安定した資金管理を証明
  • 日本のクレジットカード利用履歴や住宅ローン返済履歴を提出(優良な返済実績の証明)
  • 資産証明書(預貯金残高、有価証券、不動産所有など)で総合的な信用力を示す
  • HSBCなど国際銀行に日本の口座がある場合、グローバルでの取引実績が評価される場合がある

為替リスクへの対処

ドバイのモーゲージはAED(ディルハム)建てで返済します。AEDは米ドルにペッグ(固定相場制)されているため、実質的には円/ドルの為替リスクを負うことになります。

例えば、月々のローン返済額が5,000 AEDの場合、1AED = 42円なら約21万円ですが、円安が進んで1AED = 50円になると約25万円に膨らみます。逆に円高になれば返済負担は軽くなります。

為替リスクへの対処法としては、以下の方法があります。

AEDでの収入を確保する:ドバイで賃貸運用し、AED建ての賃料収入でローン返済に充てれば、為替リスクを大幅に軽減できます。頭金の比率を高くする:借入額を抑えることで、為替変動の影響を最小限にできます。余裕を持った返済計画:20〜30%の為替変動を想定した上で、返済に問題がないか事前にシミュレーションしましょう。

言語の壁と契約書の確認

モーゲージ契約書はすべて英語(またはアラビア語)で作成されます。金融・法律の専門用語が多く含まれるため、以下の点に注意しましょう。

固定金利期間終了後の変動金利の計算方法(EIBORに対するスプレッド幅)、繰上返済の手数料条件デフォルト(返済不能)時の処理保険加入の義務については、必ず契約前に正確に理解しておくべきです。

不安がある場合は、ドバイの不動産取引に精通した弁護士やアドバイザーに契約書のレビューを依頼することをおすすめします。

デベロッパー分割払いプラン(ペイメントプラン)との比較

ドバイの不動産購入では、銀行モーゲージ以外にデベロッパーが直接提供する分割払いプラン(ペイメントプラン)という選択肢があります。特にオフプラン物件で広く利用されており、銀行ローンとは性質が大きく異なります。

ペイメントプランの基本的な仕組み

ペイメントプランとは、物件の購入代金をデベロッパーに対して分割で支払う方式です。銀行を介さないため、審査が不要で利息もかからないのが最大の特徴です。

代表的なプランの種類は以下のとおりです。

主なペイメントプランの種類

  • 建設連動型(Construction-linked):建設の進捗に応じて支払い。例:予約時10% → 建設30%完了時20% → 50%完了時20% → 引渡時50%
  • 20/80プラン:契約時20%、引渡時80%
  • 40/60プラン:建設中に40%、引渡時60%
  • ポストハンドオーバー(Post-handover):引渡後も分割支払いが続く。例:建設中40% → 引渡後60%を2〜5年で分割

銀行モーゲージ vs ペイメントプラン 徹底比較

比較項目銀行モーゲージデベロッパー・ペイメントプラン
対象物件完成物件が中心オフプラン物件が中心
利息・金利年3.5〜6%基本的にゼロ(無利息)
審査収入・信用審査あり基本的に審査不要
初期費用(頭金)物件価格の20〜45%物件価格の10〜20%
返済期間最長25年建設期間+引渡後2〜5年
月々の負担長期分散で月額を抑えられる短期集中で月額が高くなりがち
所有権購入時から所有権取得(銀行抵当権付き)全額支払完了後に所有権移転
途中売却銀行の同意が必要デベロッパーの条件による(転売可能な場合が多い)
ビザ取得登記完了後に申請可能支払額が条件を満たせば申請可能な場合あり
鈴木 結

どちらが良いかは投資戦略次第です。完成物件で即座に賃貸収入を得たいなら銀行モーゲージ、初期投資を抑えてキャピタルゲインを狙うならペイメントプランが向いています。両方を組み合わせるハイブリッド戦略も可能ですよ。

ポストハンドオーバー・ペイメントプランの注意点

ポストハンドオーバー(引渡後分割)プランは初期費用を大幅に抑えられる魅力的な選択肢ですが、以下の点に注意が必要です。

物件価格にプレミアムが上乗せされるケースがある:デベロッパーは分割払いの利便性を提供する代わりに、現金一括より5〜10%高い価格設定にすることがあります。

支払い遅延のペナルティ:分割払いの支払いが遅れた場合、遅延損害金が発生するほか、最悪の場合は契約解除となるリスクもあります。

引渡後の二重負担:引渡後は管理費(サービスチャージ)も発生するため、分割払いと管理費の二重負担が生じます。賃貸運用する場合は、賃料収入で相殺できるか事前にシミュレーションしましょう。

ドバイのオフプラン物件ガイドでは、ペイメントプランの選び方やリスク管理についてさらに詳しく解説しています。

オフプラン物件でのローン利用|完成物件との違い

オフプラン物件(建設中・未完成物件)を購入する際のローン利用について、完成物件との違いを詳しく解説します。

建設中の物件に銀行ローンは使えるのか

結論から言うと、建設中のオフプラン物件に対して銀行モーゲージを組むことは可能ですが、条件が限定的です。

オフプラン物件へのモーゲージ条件

  • LTV上限:UAE中央銀行規制により一律50%(居住者・非居住者問わず)
  • 対象物件:建設進捗が50%以上のプロジェクトに限定する銀行が多い
  • 対象デベロッパー:銀行が承認したデベロッパーのプロジェクトのみ
  • 融資実行タイミング:建設進捗に応じて段階的に融資する形式が一般的

実務上は、オフプラン物件は建設中のリスクが高いため、銀行モーゲージよりもデベロッパーのペイメントプランを利用するのが主流です。物件が完成した後にモーゲージを組む(リファイナンス)という流れが一般的と言えるでしょう。

完成後のリファイナンス戦略

オフプラン物件の購入で特に注目すべきなのが、完成後のリファイナンス(借り換え)戦略です。

この戦略の流れは以下のとおりです。

ステップ1:オフプラン購入時はデベロッパーのペイメントプランを利用(例:40/60プラン。建設中に40%を支払い)。

ステップ2:物件完成・引渡し後、残金(60%)について銀行モーゲージを申し込み。

ステップ3:完成物件として通常のLTV規制(居住者80%、非居住者60〜65%)が適用される。銀行は完成物件の市場価値を基準に融資額を算定。

この方法のメリットは、建設中はペイメントプランの無利息を活かし、完成後は銀行モーゲージで長期の返済期間(最長25年)を確保できる点です。ドバイの不動産価格が建設期間中に上昇していれば、完成時の鑑定額が購入時より高くなり、より有利な条件でモーゲージを組める可能性もあります。

鈴木 結

リファイナンス戦略は、手元資金を効率的に活用しながらレバレッジを効かせたい投資家に適しています。ただし、完成時の不動産市場や金利環境によっては想定どおりの条件でモーゲージが組めない可能性もあるため、複数のシナリオを想定しておくことが重要です。

日本の銀行で海外不動産ローンを組む方法

ドバイ現地の銀行以外にも、日本の銀行を利用してドバイ不動産の資金を調達する方法があります。選択肢は限られますが、検討に値するオプションです。

日本の不動産を担保にした融資

日本国内に不動産を所有している場合、それを担保に入れることで海外不動産購入の資金を調達できる場合があります。

例えば、東京スター銀行の「海外不動産ローン(スター不動産担保ローン)」は、日本国内の不動産を担保にして海外不動産購入資金を融資する商品です。金利は年1.25〜4.75%程度(2025年9月時点の参考値)で、ドバイ現地銀行の非居住者向けローンよりも低い水準となっています。

日本の銀行を活用するメリット・デメリット

  • メリット:日本語で手続き可能、金利が比較的低い、為替リスクを円建てで管理できる場合がある
  • デメリット:日本国内に担保不動産が必要、融資額は担保評価に依存、取扱金融機関が少ない

HSBC等の国際銀行を活用するアプローチ

HSBCなどの国際銀行では、「グローバルバンキング」のサービスを通じて、日本の口座と連携しながらドバイでモーゲージを組むことが可能です。日本のHSBC口座でのプレミア会員(一定の預入残高が必要)であれば、ドバイのHSBCとの連携がスムーズに進む場合があります。

Standard Charteredも同様に国際的なネットワークを持ち、クロスボーダーでの融資審査に対応しています。これらの銀行は海外居住者や国際投資家のニーズに慣れているため、日本人非居住者にとって相談しやすい選択肢です。

モーゲージ申請を成功させるための実践的アドバイス

ドバイのモーゲージ審査をスムーズに通過するために、実践的なアドバイスをまとめます。

審査通過率を上げる5つのポイント

モーゲージ審査を通過するコツ

  1. 仮審査(Pre-Approval)を先に取得する:物件選定前に融資可能額を把握しておく
  2. 書類は英語翻訳を早めに準備する:公認翻訳者による翻訳は数日〜2週間かかる
  3. 銀行取引明細は整理しておく:安定した収入と健全な資金管理を示す。大きな入出金には説明メモを付ける
  4. 既存の借入を整理する:DSR(返済比率)50%の上限に余裕を持たせる
  5. 複数の銀行に同時並行で相談する:銀行によって審査基準が異なるため、最低2〜3行に打診する

モーゲージブローカーの活用

ドバイには「モーゲージブローカー」と呼ばれる融資仲介業者が多数存在します。複数の銀行のモーゲージ商品を比較し、借主の条件に最適なプランを提案してくれるサービスです。

モーゲージブローカーを利用するメリットは、複数の銀行との交渉を一括で代行してもらえる点と、非居住者向けの特別プランや金利優遇を引き出せる可能性がある点です。手数料は融資額の0.5〜1%程度が相場ですが、銀行側がブローカー手数料を負担する場合もあります。

特に日本在住の非居住者にとっては、現地での銀行との折衝を任せられるモーゲージブローカーの存在は心強い味方になるでしょう。

返済シミュレーション|具体的な数字で理解する

実際にどの程度の返済額になるのか、具体的なシミュレーションで確認しましょう。

ケース1:居住者が200万AEDの物件を購入

項目内容
物件価格200万AED(約8,400万円)
頭金(20%)40万AED(約1,680万円)
融資額(80%)160万AED(約6,720万円)
金利年4.0%(固定3年)
返済期間25年
月々の返済額約8,440 AED(約35.4万円)
総返済額約253万AED(約1億626万円)
利息の総額約93万AED(約3,906万円)

ケース2:非居住者が200万AEDの物件を購入

項目内容
物件価格200万AED(約8,400万円)
頭金(40%)80万AED(約3,360万円)
融資額(60%)120万AED(約5,040万円)
金利年5.0%(固定3年)
返済期間25年
月々の返済額約7,020 AED(約29.5万円)
総返済額約211万AED(約8,862万円)
利息の総額約91万AED(約3,822万円)

非居住者の方が月々の返済額は低くなりますが、これは頭金が多い(融資額が少ない)ためです。利息率が高いにもかかわらず、融資額が少ないため利息の総額は同程度になっています。

鈴木 結

200万AED以上の物件を購入するとゴールデンビザの申請資格を得られます。モーゲージ利用中でもゴールデンビザの申請は可能ですが、銀行からのNOC(No Objection Certificate)が必要になります。

賃貸利回りとローン返済のバランス

投資用物件の場合、賃貸利回りがローン返済をカバーできるかが重要な判断基準です。

例えば、上記のケース1(居住者・200万AEDの物件)で考えてみましょう。年間賃料が14万AED(利回り7%)の場合、月々の賃料収入は約11,670 AEDです。月々のローン返済額8,440 AEDとの差額は+3,230 AED(約13.6万円)となり、賃料収入でローン返済を賄いつつ、月々約13.6万円のキャッシュフローが残る計算です。

ただし、ここから管理費(サービスチャージ)や空室期間を考慮する必要があります。実質的な手残りは物件やエリアによって異なるため、購入前に詳細なキャッシュフロー分析を行うことが重要です。

ドバイ不動産の資金調達方法|最適な選択肢の見つけ方

ここまで解説してきた各資金調達方法を総合的に比較し、投資家のタイプ別に最適な選択肢を整理します。

資金調達方法の全体比較

方法金利初期費用審査返済期間おすすめの人
現金一括なし物件価格+諸費用7〜9%不要なし十分な手元資金がある人
銀行モーゲージ(居住者)年3.5〜5%頭金20〜30%+諸費用あり最長25年UAE在住でレバレッジを効かせたい人
銀行モーゲージ(非居住者)年4.5〜6%頭金35〜45%+諸費用あり(厳格)最長25年日本在住で完成物件を購入したい人
ペイメントプランなし物件価格の10〜20%不要建設期間+2〜5年オフプラン物件で初期投資を抑えたい人
日本の不動産担保ローン年1.25〜4.75%担保不動産が必要あり金融機関による日本に不動産を持つ人

投資家タイプ別の推奨プラン

タイプA:日本在住で初めてドバイ不動産を購入する投資家

まずはデベロッパーのペイメントプランを利用してオフプラン物件を購入し、完成後にリファイナンスで銀行モーゲージに切り替える方法がおすすめです。初期費用を抑えつつ、物件の完成・価値上昇を確認してから融資を受けられるため、リスクを段階的にコントロールできます。

タイプB:UAE居住者でレバレッジを効かせたい投資家

銀行モーゲージを活用して完成済み物件を購入し、賃貸運用でローン返済を賄う戦略が有効です。居住者はLTV80%まで融資を受けられるため、自己資金20%でレバレッジ投資が可能です。

タイプC:日本に不動産を持つ資産家

日本の不動産を担保にした融資を検討する価値があります。金利がドバイ現地銀行より低く、円建てで資金調達できるため為替リスクの一部を回避できます。ドバイでの物件選定は現金購入と同等の自由度で行えます。

鈴木 結

資金調達方法の選択は投資戦略全体の根幹に関わります。物件選びと同じくらい重要な意思決定ですので、複数のシナリオでシミュレーションを行い、ご自身のリスク許容度に合った方法を選んでください。私たちもご相談をお受けしています。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 日本の住宅ローンのようにフラット35的な全期間固定金利はありますか?

A. ドバイでは全期間固定金利のモーゲージ商品は一般的ではありません。ほとんどの銀行が提供するのは、初期2〜5年間の固定金利+その後EIBOR連動の変動金利に移行するプランです。固定期間が終了するタイミングで、他の銀行にリファイナンス(借り換え)して再度固定金利期間を設定するのが一般的な運用方法です。

Q2. モーゲージ利用中でもゴールデンビザは申請できますか?

A. はい、可能です。物件価格が200万AED(約8,400万円)以上であれば、モーゲージ返済中でもゴールデンビザ(10年間の長期居住ビザ)の申請資格があります。ただし、銀行からNOC(No Objection Certificate)を取得する必要があります。

Q3. 返済が難しくなった場合はどうなりますか?

A. まずは銀行に相談し、返済条件の見直し(返済期間の延長、一時的な返済猶予等)を検討します。それでも返済不能となった場合、銀行は担保物件を競売にかけて融資の回収を図ります。なお、UAEでは返済不能が刑事罰につながるケースもあるため、返済に不安を感じたら早めに銀行や専門家に相談することが重要です。

Q4. 投資用物件でもモーゲージは組めますか?

A. はい、投資用物件(賃貸運用目的)でもモーゲージは利用可能です。ただし、2件目以降の投資用物件ではLTV上限が下がります(居住者で60%前後、非居住者で50%前後)。また、見込み賃料収入をDSR計算に含めてくれる銀行もあるため、事前に各銀行の条件を確認しましょう。

Q5. ドバイのモーゲージに保証人は必要ですか?

A. 通常、ドバイのモーゲージでは保証人は求められません。物件自体が担保となるため、日本の住宅ローンのような連帯保証人の仕組みとは異なります。ただし、審査結果によっては追加の担保や保証金を求められるケースもゼロではありません。

Q6. 夫婦の共同名義でモーゲージを組めますか?

A. はい、共同名義(Joint Mortgage)でのモーゲージは可能です。夫婦の合算収入で審査を受けられるため、単独では借入額が不足する場合に有効です。物件の所有権も共同名義で登記されます。

まとめ|ドバイ不動産のローン・モーゲージを賢く活用するために

ドバイ不動産の資金調達は、フルキャッシュだけが選択肢ではありません。銀行モーゲージ、デベロッパーのペイメントプラン、日本の不動産を担保にしたローンなど、投資家の状況に応じた多様な選択肢が存在します。

この記事のポイント

  • 外国人(非居住者含む)でもドバイの銀行でモーゲージを組める
  • UAE中央銀行の規制により、居住者はLTV最大80%、非居住者はLTV最大60〜65%(500万AED以下の場合)
  • 2026年2月時点の参考値として、居住者向け固定金利は年3.79〜4.25%、非居住者向けは年4.50〜5.99%
  • オフプラン物件はデベロッパーのペイメントプラン(無利息)が主流。完成後にリファイナンスする戦略も有効
  • 日本人は海外送金の準備、信用スコアの補完、為替リスクへの対策が必要
  • モーゲージブローカーの活用で、複数銀行の条件を効率的に比較できる

資金調達方法の選択は、ドバイ不動産投資の成否を左右する重要な判断です。物件の種類(完成物件/オフプラン)、投資目的(インカムゲイン/キャピタルゲイン)、居住ステータス(居住者/非居住者)を総合的に考慮し、最適なファイナンス戦略を組み立てましょう。

ドバイ不動産の購入手続き全体についてはこちらのガイドで、オフプラン物件の詳細についてはこちらで解説しています。

この記事の監修

この記事は、ドバイ在住の不動産・金融の専門家による監修のもと作成しています。記載情報は2026年2月時点のものです。最新の金利・融資条件については、必ず各金融機関にご確認ください。

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