「ドバイにカジノはあるの?」「いつできるの?」――ドバイ旅行や移住を検討する方から、最も多い質問のひとつです。
結論から言うと、2026年2月現在、ドバイにカジノは存在しません。しかし、隣接するラスアルハイマ首長国では、米国ウィン・リゾーツによるUAE初の統合型カジノリゾート「Wynn Al Marjan Island」が2027年春の開業に向けて建設が進行中です。総投資額は約51億ドル(約7,650億円)に達し、中東のエンターテインメント業界に歴史的な転換をもたらすと注目されています。
さらに、MGMリゾーツがドバイ本体でカジノ対応の大型リゾートを計画するなど、UAE全体でゲーミング産業が急速に拡大しつつあります。この動きは不動産市場にも大きな影響を与えており、ラスアルハイマの不動産価格はカジノ計画の発表以降、急上昇しています。
この記事では、UAEのカジノ計画の全体像を整理し、投資家・旅行者・移住検討者が知っておくべき最新情報をお届けします。
この記事でわかること
- ドバイにカジノがない理由とUAEのギャンブル規制の現状
- UAE初のカジノリゾート「Wynn Al Marjan Island」の概要と開業時期
- GCGRA(UAE商業ゲーミング規制機関)の最新動向
- MGMのドバイ進出計画とドバイ本体でのカジノ解禁の可能性
- カジノ計画がUAE不動産市場に与える影響と投資機会
目次
UAEのギャンブル規制と「カジノ解禁」の背景
UAEはイスラム法(シャリーア)を基盤とする国家であり、長年にわたりギャンブルは厳しく禁止されてきました。カジノはもちろん、公共の場での賭博行為は刑事罰の対象となります。ドバイの競馬場ではレースは開催されるものの、馬券の販売は行われていません。
なぜ今「カジノ解禁」なのか
UAEが長年のギャンブル禁止方針を転換しつつある背景には、いくつかの要因があります。
- 観光収入の多角化:石油依存からの脱却を目指すUAEにとって、カジノを含む統合型リゾート(IR)は新たな観光収入源
- 国際競争:サウジアラビアの大規模開発プロジェクト「NEOM」やマカオ、シンガポールとの観光客争奪戦
- 外国人居住者の増加:UAE人口の約90%を占める外国人居住者のエンターテインメント需要
- 経済効果の実績:シンガポールのIR(マリーナベイサンズ等)が観光収入を大幅に押し上げた成功事例
GCGRA(商業ゲーミング規制機関)の設立
2023年9月、UAEはGCGRA(General Commercial Gaming Regulatory Authority)を連邦レベルの規制機関として設立しました。これはUAEにおけるゲーミング産業合法化への決定的な一歩です。
GCGRAは以下の領域を管轄しています。
- ランドベース(陸上型)カジノの運営ライセンス
- オンラインゲーミング(インターネットカジノ)
- スポーツベッティング(スポーツ賭博)
- 宝くじ(ロッタリー)
GCGRAのライセンスモデルは「各首長国1ライセンス」という方式を採用しています。UAE7つの首長国それぞれが、陸上型カジノとオンラインゲーミングの各1ライセンスを付与できる仕組みです。ただし、各首長国が参加するかどうかは個別に判断されます。
UAE初のカジノリゾート「Wynn Al Marjan Island」の全貌
UAEで最初にカジノライセンスを取得したのは、ラスベガスの大手リゾート企業ウィン・リゾーツ(Wynn Resorts)です。2024年10月にUAE初の商業ゲーミング運営ライセンスを正式に取得し、ラスアルハイマ首長国のアルマルジャン島で統合型リゾートの建設を進めています。
プロジェクト概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名称 | Wynn Al Marjan Island(ウィン・アルマルジャン・アイランド) |
| 所在地 | ラスアルハイマ首長国 アルマルジャン島 |
| 総投資額 | 約51億ドル(約7,650億円) |
| 客室数 | 1,542室(1,217客室 + 297スイート + 28邸宅型住居) |
| カジノフロア | 約20,900平方メートル |
| 飲食施設 | 22のレストラン・ラウンジ・バー |
| 商業施設 | 約15,000平方メートルのリテールスペース |
| 開業予定 | 2027年春 |
| ドバイからのアクセス | ドバイ国際空港から車で約1時間 |
施設の特徴
Wynn Al Marjan Islandは、ラスベガスのウィン・ホテルと同等の超高級路線を採用しつつ、中東の文化に配慮した設計がなされています。
- タワー:高さ305メートル、70階建ての象徴的な建築(2025年11月にトッピングアウト達成)
- マリーナ:スーパーヨットが停泊可能な深水マリーナ
- ビーチクラブ・プール:約3,600平方メートルのプールエリア、白砂のビーチ
- 劇場:エンターテインメントショー専用シアター
- スパ:Wynn Spa & Salonによるラグジュアリースパ
- 会議施設:約13,500平方メートルのMICE施設
Wynn Al Marjan Islandの投資規模は約51億ドル。これはシンガポールのマリーナベイサンズの初期投資額(約55億ドル)に匹敵する規模です。UAE不動産市場全体への波及効果は非常に大きいと考えられます。
建設の進捗状況(2026年2月時点)
2025年11月時点で、メインタワーが最高到達点に達する「トッピングアウト」を達成しました。外装パネルの73%が設置済みで、2027年春の開業スケジュールは予定通り進んでいます。
また、リゾートとラスアルハイマ本土を結ぶ「ウィン・ブリッジ」は2026年末までに完成予定で、2025年時点で48%の進捗率です。
ドバイ本体でのカジノ計画 ― MGMの動向
カジノ計画はラスアルハイマだけにとどまりません。MGMリゾーツ・インターナショナルは、ドバイのジュメイラ・ビーチ沖に「The Island」と呼ばれる大型リゾートプロジェクトを計画しています。
MGM「The Island」プロジェクト
- 立地:ウム・スケイム沖、ジュメイラ・ビーチ・ホテルとマルサ・アル・アラブに隣接
- 客室数:約1,400室(MGMグランド、ベラージオ、アリア等のブランドホテル)
- 開業予定:2028年後半(当初2027年から延期)
- カジノの有無:当初はカジノなしでオープンし、将来的にカジノを収容できるよう設計
MGMは「ゲーミングがUAEで、そして最終的にドバイで合法化されれば大きなチャンスになる」と公式に発言しています。つまり、ドバイ本体でのカジノ解禁を見据えた「カジノ対応」の施設設計を行っているのです。
ドバイでカジノが解禁される可能性は?
2026年2月現在、ドバイ首長国がGCGRAのカジノライセンスを申請・取得したという公式発表はありません。しかし、以下の要因から、将来的なドバイでのカジノ解禁の可能性は否定できません。
- MGMが「カジノ対応設計」のリゾートを建設中
- ラスアルハイマでの成功事例が先行モデルとなりうる
- GCGRAの「各首長国1ライセンス」モデルにより、ドバイが将来参加する余地がある
- ドバイ政府の過去の方針転換の柔軟さ(アルコール規制の緩和など)
ただし、ドバイはイスラム法を重視する立場を維持しており、カジノ解禁の時期や確度については現時点では不透明です。投資判断においては、「ドバイにカジノができる」ことを前提にしないことが重要です。
オンラインゲーミングの規制と最新動向
GCGRAはランドベース(陸上型)カジノだけでなく、オンラインゲーミング(インターネットカジノ)とスポーツベッティングの規制も管轄しています。
オンラインゲーミングの現状
- 2025年10月時点で、各首長国に1つずつオンラインゲーミングライセンスを発行する方針が発表
- B2B(事業者間)ライセンスは15社以上に付与済み
- 近い将来、2〜3の首長国がオンラインゲーミングを承認する見込み
- UAE国内からのアクセスに限定(海外からのプレイは対象外)
GCGRAのCEOケビン・マラリー氏は、UAEを「ゲーミングテクノロジーとイノベーションのグローバルハブ」にするというビジョンを示しています。プレーヤー保護を重視しつつ、イノベーションを促進する規制アプローチを採用しています。
UAEでのギャンブルに関する注意点
- GCGRAの正式なライセンスを持たない事業者でのギャンブルは違法です
- UAE居住者が海外のオンラインカジノを利用することもリスクがあります
- 違法ギャンブルには罰金や国外退去を含む厳しい罰則が科される可能性があります
- 2027年のWynn Al Marjan Island開業まで、UAE国内に合法的なカジノ施設は存在しません
カジノ計画がUAE不動産市場に与えるインパクト
カジノリゾートの開発は、UAE全体、特にラスアルハイマの不動産市場に大きな影響をもたらしています。
ラスアルハイマの不動産価格の推移
Wynn Al Marjan Islandの計画発表以降、ラスアルハイマの不動産市場は急激な変化を見せています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 5年間の価格上昇率 | 約39% |
| 1年間の価格上昇率 | 約36% |
| アルマルジャン島 1BR(2022年) | 約80万AED(約3,360万円) |
| アルマルジャン島 1BR(2024年) | 約120万AED(約5,040万円) |
アルマルジャン島では、カジノ計画発表後わずか2年で物件価格が約50%上昇した事例も報告されています。
世界のカジノ都市に学ぶ不動産への影響
過去の事例を見ると、カジノリゾートの開業は周辺不動産市場に大きなインパクトを与えてきました。
| 都市 | IR開業後の不動産への影響 |
|---|---|
| シンガポール | マリーナベイサンズ開業(2010年)後、周辺の住宅価格が20〜30%上昇 |
| マカオ | カジノ開放(2001年)後、不動産価格が5〜10倍に高騰 |
| アトランティックシティ | カジノ開業後に一時上昇したが、その後の過剰競争で下落 |
UAEの場合、シンガポールモデルに近い「厳格な規制のもとでの限定的なライセンス発行」を採用しているため、マカオのような過熱や、アトランティックシティのような過剰競争は起きにくいと考えられます。
カジノリゾートの開業は確かに不動産市場にプラスの影響を与える傾向がありますが、投資判断においては注意点もあります。ラスアルハイマの不動産はドバイに比べてまだ流動性が低く、出口戦略(売却時の買い手確保)を慎重に検討する必要があります。
ドバイ不動産への波及効果
カジノ計画の恩恵は、ラスアルハイマだけでなくドバイの不動産市場にも波及すると見られています。
- 観光客の増加:カジノ目的の訪問者がドバイにも滞在する可能性
- UAE全体の魅力向上:エンターテインメントの選択肢が増えることで、UAE居住のメリットが拡大
- 人口増加:カジノ関連の雇用創出により、2030年までに最大60%の人口増加という予測も
- ドバイ自体のカジノ解禁期待:将来的な解禁への期待がドバイの不動産価格を下支え
特に、ドバイ不動産投資を検討している方にとっては、UAE全体のエンターテインメント産業の拡大が中長期的な資産価値の向上につながる可能性があります。
投資家が注目すべきポイントとリスク
カジノ関連で注目すべき投資機会
- ラスアルハイマのリゾート物件:カジノリゾート周辺のホテルレジデンスや短期賃貸向け物件
- ドバイのホスピタリティ関連物件:カジノ観光客の増加を見据えたホテルアパートメント
- ドバイの居住用不動産:UAE全体の人口増加と経済活性化の恩恵を受ける物件
投資リスクと注意点
カジノ関連投資のリスク
- 開業延期リスク:Wynn Al Marjan Islandも当初2026年予定から2027年に延期された経緯あり
- 規制変更リスク:GCGRAの方針変更や各首長国の判断により、計画が変更される可能性
- ラスアルハイマの流動性:ドバイに比べて不動産の流動性(売りやすさ)が限定的
- 過度な期待への注意:「カジノができるから値上がりする」という単純な投資判断は危険
- ドバイ解禁の不確実性:ドバイ本体でのカジノ解禁は公式に決定していない
不動産投資の基本は「立地・デベロッパー・価格の妥当性」です。カジノ計画は追い風のひとつですが、それだけを理由に投資判断をするのは避けるべきです。ドバイで投資する場合は、Emaar、Meraas、Nakheel、Aldarといった実績のある大手デベロッパーの物件を中心に検討することをおすすめします。
ドバイ旅行者が知っておくべきカジノ関連情報
2027年以前にUAEでカジノを楽しめる?
2026年現在、UAE国内に合法的なカジノ施設はありません。Wynn Al Marjan Islandの開業は2027年春が予定されているため、それまではUAE国内でカジノを楽しむ手段はありません。
ドバイからラスアルハイマ(Wynn Al Marjan Island)へのアクセスは、ドバイ国際空港から車で約1時間です。開業後はドバイからの日帰りや短期滞在でカジノを楽しむことが可能になります。
ドバイの治安とルール
カジノ解禁の動きがあるとはいえ、UAEは依然として厳格な法律が適用される国です。旅行者が注意すべきポイントを押さえておきましょう。
- 違法ギャンブル(無許可のオンラインカジノ含む)は罰則の対象
- ドバイは犯罪率が非常に低く、世界でも有数の安全な都市
- アルコールはライセンスを持つ施設で提供されるが、公共の場での飲酒は制限あり
- 服装やマナーに関する社会的なルールを尊重することが大切
ドバイの治安や公的秩序について詳しくは「ドバイの治安ガイド」をご覧ください。
UAEカジノ計画の今後のスケジュール
UAEにおけるカジノ・ゲーミング産業の主なスケジュールをまとめます。
| 時期 | イベント |
|---|---|
| 2023年9月 | GCGRA(商業ゲーミング規制機関)設立 |
| 2024年10月 | ウィン・リゾーツがUAE初のカジノライセンスを取得 |
| 2025年11月 | Wynn Al Marjan Islandのタワーがトッピングアウト達成 |
| 2026年末(予定) | ウィン・ブリッジ完成 |
| 2027年春(予定) | Wynn Al Marjan Island 開業(UAE初の合法カジノ) |
| 2028年後半(予定) | MGM「The Island」ドバイで開業(カジノ対応設計だがカジノなしで開始) |
| 時期未定 | ドバイ首長国でのカジノ解禁の可能性 |
よくある質問(FAQ)
ドバイにカジノはありますか?
2026年2月現在、ドバイにカジノはありません。UAE初のカジノは、隣接するラスアルハイマ首長国の「Wynn Al Marjan Island」が2027年春に開業予定です。ドバイ本体でのカジノ解禁は公式には発表されていません。
UAEのカジノはいつオープンしますか?
UAE初のカジノ施設「Wynn Al Marjan Island」は2027年春の開業を予定しています。建設は予定通り進んでおり、2025年11月にメインタワーのトッピングアウトを達成しています。
ドバイでギャンブルはできますか?
GCGRAのライセンスを持たないギャンブルはUAEでは違法です。競馬は開催されていますが馬券の販売はなく、オンラインカジノも無許可のものは利用すべきではありません。2027年のWynn開業以降、ラスアルハイマでは合法的にカジノを楽しめるようになる予定です。
カジノ計画はドバイの不動産投資にどう影響しますか?
カジノ計画はUAE全体の観光収入増加、人口増加の触媒となり、ドバイの不動産市場にもプラスの波及効果が期待されます。ただし、カジノだけを理由にした投資判断は避け、立地やデベロッパーの信頼性を含めた総合的な判断が重要です。ドバイ不動産投資の基礎知識も併せてご確認ください。
ゴールデンビザとの関連は?
ドバイで200万AED(約8,400万円)以上の不動産を購入すると、10年間有効なゴールデンビザ(長期居住ビザ)を取得できます。カジノ開業によるUAEの魅力向上は、ゴールデンビザの価値をさらに高める可能性があります。詳しくは「ドバイのゴールデンビザ完全ガイド」をご覧ください。
まとめ ― UAEカジノ時代の幕開けと投資機会
UAEのカジノ産業は、GCGRAの設立とWynn Al Marjan Islandの建設により、いよいよ現実のものとなりつつあります。
- ドバイ自体にはまだカジノはないが、ラスアルハイマで2027年春にUAE初のカジノがオープン予定
- GCGRAが「各首長国1ライセンス」モデルで規制を整備中
- MGMもドバイで「カジノ対応設計」のリゾートを建設中
- カジノ計画はUAE不動産市場にプラスの波及効果をもたらす可能性がある
- ただし、不確実性も残るため、カジノだけを理由にした投資判断は避けるべき
ドバイを含むUAE不動産への投資を検討されている方は、カジノ計画も含めた中長期的なUAEの成長シナリオを理解したうえで、信頼できる専門家と相談しながら判断されることをおすすめします。
ドバイ移住の無料個別相談を受付中!
ドバイ総合研究所では、ドバイ移住に関する無料個別相談を実施しております。ビザ・税金・生活費など、あなたの状況に合わせてアドバイスいたします。