2022年のドバイ万博(Expo 2020 Dubai)は、延べ2,400万人以上を動員し世界中の注目を集めました。その会場跡地が「Expo City Dubai(エキスポシティ・ドバイ)」として生まれ変わり、住宅・商業・テクノロジーが融合する次世代型スマートシティへと進化を遂げています。
ドバイ2040マスタープランの中核拠点に位置づけられ、35,000人以上の居住者と40,000人のビジネスパーソンが活動する都市を目指すExpo City Dubaiは、不動産投資家にとっても見逃せないエリアです。
この記事では、Expo City Dubaiの概要からロケーション、主要施設、不動産の価格データ、投資の将来性、リスクまでを網羅的に解説します。
この記事でわかること
- Expo City Dubaiとは何か(万博跡地からスマートシティへの転換)
- エリアの特徴・ロケーション・交通アクセス
- 主要施設とマスタープランの全体像
- 最新の不動産取引データと価格相場
- 投資の将来性とリスク
- 日本人投資家にとっての魅力と注意点
目次
Expo City Dubaiとは|万博跡地が次世代都市に
Expo City Dubaiは、2021年10月〜2022年3月に開催されたドバイ万博(Expo 2020 Dubai)の跡地を活用した大規模都市開発プロジェクトです。2022年10月に正式にオープンし、万博時代のインフラの約80%を再活用しながら、持続可能な未来都市のモデルケースとして開発が進んでいます。
敷地面積は約3.5平方キロメートル(東京ディズニーランドのテーマパークエリア約8.5個分)と広大で、住宅・オフィス・商業施設・文化施設・教育機関が一体となった複合型スマートシティを目指しています。
Expo City Dubaiの基本情報
- 正式名称:Expo City Dubai(エキスポシティ・ドバイ)
- 敷地面積:約3.5平方キロメートル
- 目標居住者数:35,000人以上
- 目標就業者数:40,000人以上
- マスタープラン設計:UNStudio
- 所有形態:フリーホールド(外国人による完全所有権取得が可能)
- 最寄駅:Expo 2020メトロ駅(ドバイメトロ・レッドライン)
ロケーションと交通アクセス
Expo City Dubaiは、ドバイ南部のドバイサウス(Dubai South)エリアに隣接しています。Al Maktoum国際空港に近く、シェイク・ザーイド・ロード(E11)やシェイク・モハメド・ビン・ザーイド・ロード(E311)などの主要幹線道路にもアクセスしやすい立地です。
ドバイメトロ Route 2020
ドバイ万博に合わせて建設されたメトロ・レッドラインの延伸区間「Route 2020」は、全長15kmにわたり7つの新駅が設置されました。終点の「Expo 2020」駅がExpo City Dubaiの玄関口となっています。
ドバイ国際空港(ターミナル3)からExpo 2020駅まで乗り換えなしで約1時間10分、ドバイマリーナやAl Barshaからは20〜30分でアクセス可能です。将来的には、Al Maktoum国際空港への直通延伸も計画されています。
Expo Cityはメトロ直結というのが大きな強みです。ドバイサウスの中でもメトロ駅徒歩圏内は限られており、交通インフラの充実が不動産価値を下支えしています。
主要エリアへのアクセス目安
| 目的地 | 車での所要時間 |
|---|---|
| Al Maktoum国際空港 | 約10分 |
| ドバイマリーナ | 約25分 |
| ダウンタウン・ドバイ | 約30分 |
| ドバイ国際空港(DXB) | 約40分 |
| アブダビ中心部 | 約50分 |
2040マスタープランにおける位置づけ
Expo City Dubaiは、ドバイ2040都市マスタープランにおいて「5つの都市中心地」のひとつに指定されています。このマスタープランは、コンパクトシティ・歩行者優先・緑地拡大・自動車依存の低減を基本理念としており、Expo Cityはその理念を体現する先行モデルとして開発が進められています。
マスタープランでは5つのディストリクトがグリッドシステムで設計され、メトロ駅からAl Wasl Plaza、Terraへと続く「Expo Downtown」を中心軸に、回遊性の高い都市構造を実現しています。
主要施設とランドマーク
万博時代のパビリオンや施設の多くが恒久施設として活用されており、文化・テクノロジー・サステナビリティの拠点として機能しています。
Al Wasl Plaza(アル・ワスル・プラザ)
万博のシンボルだったドーム型構造物で、直径130メートルの巨大スクリーンを備えます。現在はイベント・コンサート・フェスティバルの会場として活用され、Expo Cityの中心的なランドマークです。
Terra – The Sustainability Pavilion
サステナビリティをテーマにした体験型施設で、IUCN(国際自然保護連合)の「種の保存センター」も併設されています。太陽光発電と水のリサイクルを組み合わせたネットゼロエネルギー建築として、環境技術のショーケースとなっています。
大型イベント・展示会の拠点
2025年には75件以上の国際イベントを開催した実績があり、2026年にはGITEX Global(世界最大級のテクノロジー見本市、12月開催予定)やWorld Health Expoなどの大型イベントが予定されています。ビジネスイベントの集積は、周辺不動産の賃貸需要を高める要因となります。
住宅プロジェクトの全体像
Expo City Dubaiでは現在、複数の住宅プロジェクトが進行しています。いずれもサステナブルデザインとスマートホームテクノロジーを採用し、エコフレンドリーな居住環境を提供しています。
Mangrove Residences
アパートメントとタウンハウスで構成される住宅プロジェクトです。アパートメントはAED 130万〜、タウンハウスはAED 400万〜の価格帯で、第1フェーズは2026年Q1に引き渡し予定です。
Sky Residences
AED 179万〜の価格帯で、2ベッドルームはAED 286万程度です。2026年Q3に引き渡し予定で、高層階からはExpo City全体を見渡せる眺望が特徴です。
Sidr Residences
1〜4ベッドルームの高級アパートメントで、AED 188万〜の価格帯です。Phase 2も発表済みで、引き渡しは2027年Q4を予定しています。
不動産の価格データ|最新の取引実績
以下は、DXB Interact(ドバイ土地局の公式データ)に基づく直近1ヶ月(2026年1月19日〜2月17日)の取引実績です。
| ベッド数 | 中央値価格(AED) | 日本円換算(目安) | 取引件数 |
|---|---|---|---|
| 全体 | AED 3,491,000 | 約1億4,662万円 | 18件 |
| 1 Bed | AED 1,900,000 | 約7,980万円 | 1件 |
| 2 Beds | AED 3,491,000 | 約1億4,662万円 | 15件 |
| 3 Beds | AED 4,100,000 | 約1億7,220万円 | 1件 |
| 4 Beds | AED 7,155,000 | 約3億51万円 | 1件 |
※日本円はAED 1 = 約42円で換算。為替変動により実際の金額は異なります。Studio・5 Beds以上は直近1ヶ月の取引データなし。出典:DXB Interact
注目すべきポイントは、全18件中15件(約83%)が2ベッドルームに集中していることです。これは、Expo Cityの購入者層がファミリー向けの居住用途または中〜長期の賃貸運用を前提とした投資目的が中心であることを示唆しています。Studioや5ベッドルーム以上の取引がない点は、エリアの供給構造がまだ限定的であることの表れでもあります。
Expo Cityは新築オフプランが中心のため、取引件数自体はまだ限られています。2ベッドルームの中央値がAED 349万(約1.47億円)と、ドバイサウスの中では高めの価格帯ですが、マスタープランの完成度を考えると将来的な資産価値の上昇余地があると考えています。
投資の将来性と注目ポイント
Expo City Dubaiは中長期的な不動産投資の観点から、いくつかの注目すべきポイントがあります。
キャピタルゲインの可能性
過去12ヶ月の平均売買価格はAED 238万程度で、DLD(ドバイ土地局)のデータでは前年比+9%の価格上昇が確認されています。マスタープランの段階的な完成に伴い、施設の充実とともに資産価値の上昇が見込まれます。
賃貸利回り
Expo Cityを含むドバイサウスエリアのグロス賃貸利回りは7〜10%と報告されており、ダウンタウン・ドバイ(4〜5%程度)やドバイマリーナと比較して高い水準です。ただし、新規供給が集中する時期は一時的に空室率が上昇し賃貸利回りが低下する可能性がある点には留意が必要です。
Al Maktoum国際空港の拡張効果
ドバイサウスに位置するAl Maktoum国際空港は、世界最大規模の空港への拡張計画が進行中です。空港の拡張に伴い、周辺エリアの商業・物流需要が拡大し、Expo Cityの居住需要にもプラスの影響が期待されます。メトロのAl Maktoum空港への延伸計画も、エリアの利便性を高める要因です。
GITEX Globalなど大型イベントの集積
GITEX Global(2026年12月開催予定)をはじめとする大型国際イベントがExpo Cityで恒常的に開催されることで、短期賃貸・ビジネス需要の底上げが見込まれます。年間75件以上のイベント実績は、エリアの集客力を裏付けています。
投資リスクと注意点
将来性がある一方で、以下のリスク要因も理解しておくことが重要です。
Expo City Dubai投資のリスク要因
- 開発途上エリア:住宅や商業施設の多くがまだ建設中であり、完成後の街の姿は計画通りにならない可能性があります
- 供給集中リスク:複数プロジェクトの引き渡しが重なる時期には、一時的に空室率が上昇し賃貸利回りが低下する懸念があります
- 市街中心部からの距離:ダウンタウンやDIFCなどのビジネス中心地からは車で30分以上かかり、アクセス面で不利に感じる層もいます
- 流動性:取引件数がまだ少なく、売却時に希望価格で速やかに売れるとは限りません
- オフプラン特有のリスク:工期の遅延や引き渡し時の仕様変更といった、オフプラン物件共通のリスクがあります
オフプラン投資のリスクと対策については、別記事で詳しく解説しています。
日本人投資家にとっての魅力
Expo City Dubaiは、日本人投資家にとって以下の点で魅力的なエリアです。
フリーホールドで完全所有権を取得可能
Expo Cityはフリーホールドエリアに指定されており、外国人でも土地・建物の完全所有権を取得できます。日本人投資家が自身の名義で物件を保有し、将来的に売却益を得ることも可能です。
税制メリット
ドバイでは個人の所得税・キャピタルゲイン税がゼロです。賃貸収入や売却益に対する課税がないため、他の先進国と比較してネットリターンが高くなります。
ゴールデンビザの取得要件
AED 200万(約8,400万円)以上の不動産を購入することで、10年間有効のゴールデンビザ(長期居住ビザ)の申請資格を得られます。Expo Cityの2ベッドルーム(中央値AED 349万)であれば、この要件を満たすことが可能です。
ドバイ不動産投資の全体像については、ピラー記事で詳しく解説しています。
Expo Cityは『完成した街に住む』のではなく、『街の成長とともに資産価値を育てる』タイプの投資です。短期でのリターンよりも、5〜10年スパンでの資産形成を考える方に適したエリアといえます。
まとめ|Expo City Dubaiは中長期投資の注目エリア
Expo City Dubaiは、ドバイ万博のレガシーを活かし、テクノロジー・サステナビリティ・グローバルビジネスを軸とした次世代型スマートシティです。ドバイ2040マスタープランの中核拠点であり、Al Maktoum国際空港の拡張、メトロ延伸、大型イベントの恒常開催など、中長期的な成長ドライバーが揃っています。
一方で、まだ開発途上であり取引件数も限定的です。短期売買には向きませんが、5〜10年の中長期スパンで都市の成長とともに資産価値の上昇を狙う投資戦略には適したエリアといえるでしょう。
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