「海外移住で税金を抑えたいけど、ドバイとシンガポール、どちらが自分に合っているのだろう?」
富裕層や起業家の間で人気の移住先として、ドバイとシンガポールがよく比較されます。どちらも税制優遇が魅力ですが、ビザの取得難易度、生活費、ビジネス環境は大きく異なります。
この記事では、実際にドバイに在住する日本人の視点から、2026年最新情報をもとに両都市を徹底比較。あなたに最適な移住先を見つけるためのガイドをお届けします。
目次
ドバイとシンガポールの基本情報を比較
まずは両都市の基本的な特徴を押さえておきましょう。
ドバイ vs シンガポール 基本情報
【ドバイ(UAE)】
- 人口:約400万人(外国人が約90%)
- 公用語:アラビア語(英語が広く通用)
- 通貨:UAEディルハム(AED)
- 気候:砂漠気候(夏は50℃近くになることも)
- 時差:日本より-5時間
【シンガポール】
- 人口:約560万人(外国人が約30%)
- 公用語:英語、中国語、マレー語、タミル語
- 通貨:シンガポールドル(SGD)
- 気候:熱帯気候(年間を通じて高温多湿)
- 時差:日本より-1時間
シンガポールは東南アジアの金融ハブとして長い歴史を持ち、アジアビジネスの拠点として確立されています。一方、ドバイは近年急速に発展し、中東・アフリカ・ヨーロッパを結ぶ新たなハブとして注目されています。
【最重要】税金の比較|ドバイの圧倒的優位性
移住を検討する富裕層にとって、最も重要なのが税制です。結論から言えば、税金面ではドバイが圧倒的に有利です。
所得税の比較
所得税比較
- ドバイ:所得税 0%(完全非課税)
- シンガポール:所得税 最大22%(累進課税)
例えば、年収5,000万円の場合を計算してみましょう。
- シンガポール:約800万円の所得税
- ドバイ:0円
この差額だけで年間800万円の違いが生まれます。10年で8,000万円、資産形成のスピードが大きく変わります。
シンガポールの所得税は日本(最大45%)と比べれば低いですが、ドバイの0%には敵いません。高収入であればあるほど、ドバイの税制メリットは大きくなります。
法人税の比較
- ドバイ(フリーゾーン):法人税 0%(条件を満たせば)
- ドバイ(メインランド):法人税 9%(年間売上375,000AED超の場合)
- シンガポール:法人税 17%
シンガポールはスタートアップ向けの税優遇措置がありますが、ドバイのフリーゾーン法人であれば完全非課税が可能です。
キャピタルゲイン税・相続税の比較
キャピタルゲイン税・相続税
- ドバイ:キャピタルゲイン税 0%、相続税 0%
- シンガポール:キャピタルゲイン税 0%、相続税 0%
※この点では両国とも同等に有利
株式や不動産の売却益、仮想通貨の利益に対する課税はどちらも0%。相続税もありません。ただし、所得税の差を考慮すると、総合的な税負担はドバイが圧倒的に軽くなります。
消費税(VAT/GST)の比較
- ドバイ:VAT 5%
- シンガポール:GST 9%(2024年から引き上げ)
日常の買い物でも、ドバイの方が4%お得です。
ビザ取得の難易度|ドバイの方が取得しやすい
税金と並んで重要なのがビザの取得難易度です。結論として、ドバイの方が圧倒的にビザを取得しやすいです。
シンガポールのビザ取得条件
シンガポールで長期滞在するには、主に以下のビザがあります。
Employment Pass(EP)- 就労ビザ
- 最低月給:S$5,600(約60万円)以上
- 金融業界はS$6,200(約66万円)以上
- 優れた大学の学位または専門資格が必要
- 審査が年々厳格化
EntrePass – 起業家ビザ
- 革新的なビジネスプランが必要
- 政府認定のインキュベーター支援または投資家からの出資が求められる
- 審査通過率は低め
Global Investor Programme(GIP)- 投資永住権
- 年商200億円以上の創業オーナー社長が対象
- シンガポール政府認定の投資先に2.5億円以上の投資が必要
- 一般の富裕層には現実的でない
シンガポールのビザ取得は年々難しくなっています。特にEPは審査基準が厳格化され、以前は通っていた申請が通らないケースも増えています。
ドバイのビザ取得条件
ドバイには複数のビザ取得ルートがあり、どれもシンガポールより取得しやすいのが特徴です。
不動産投資ビザ(Property Visa)
- 75万AED(約3,150万円)以上の不動産購入で2年ビザ取得可能
- 55歳以上の方で100万AED(約4,200万円)以上の不動産購入で3年ビザ(リタイアメントビザ)
- 200万AED(約8,400万円)以上で10年ゴールデンビザ
- 学歴・職歴の条件なし
- 家族も帯同可能
法人設立ビザ
- フリーゾーンで法人設立すれば2年ビザ取得可能
- 設立費用は実費で約80万〜400万円(フリーゾーンによる)
- 最短1週間で設立完了
- 外国人100%出資OK(シンガポールと同様)
ドバイの不動産投資ビザは、資金さえあれば学歴や職歴に関係なく取得できます。3,150万円の不動産で2年ビザ、8,400万円で10年ゴールデンビザ。シンガポールのGIPと比べると、ハードルは格段に低いです。
ビザ取得難易度の比較まとめ
ビザ取得難易度の比較
【シンガポール】
- 就労ビザ:月給60万円以上+学歴が必要
- 投資永住権:年商200億円以上の経営者のみ
- 審査が年々厳格化
【ドバイ】
- 不動産投資:3,150万円で2年ビザ
- 法人設立:実費で80万〜400万円で2年ビザ
- 学歴・職歴の条件なし
法人設立の比較|スピードとコスト
ビジネス目的で移住する場合、法人設立の容易さも重要な比較ポイントです。
設立費用の比較
- シンガポール:約3万円〜(登記費用のみ)
- ただし、就労ビザ取得には資本金1,000万円以上が推奨
- 会計・監査費用が年間30〜50万円程度必要
- ドバイ(フリーゾーン):約80万〜400万円
- ライセンス、ビザ、オフィス費用込み
- IFZA(International Free Zone Authority)なら実費で約100万円で設立+ビザ取得可能
設立スピードの比較
- シンガポール:1〜3営業日(登記のみ)
- ドバイ:最短1週間(ライセンス+ビザ込み)
どちらも設立スピードは速いですが、ビザ取得まで含めたトータルの手続きではドバイの方がシンプルです。
年間維持費の比較
- シンガポール:年間50〜100万円(会計・監査・秘書サービス)
- ドバイ:年間100万円程度(ライセンス更新・ビザ更新)。その他に税務会計費用が別途必要
維持費は同程度ですが、ドバイは法人税がかからないため、実質的なコストは大きく異なります。
シンガポールは登記費用は安いですが、就労ビザ取得のために資本金を積む必要があり、会計監査も義務です。ドバイのフリーゾーンは、初期費用にすべて含まれているので分かりやすいです。
生活費・物価の比較
移住後の生活費も重要な検討ポイントです。2024年のマーサー世界生計費調査では、シンガポールが世界2位、ドバイが世界15位にランクインしています。
家賃の比較
両都市とも家賃は高めですが、エリアによって大きく異なります。
家賃比較(1ベッドルーム・都心部)
- シンガポール:約30万円/月
- ドバイ:約20万〜30万円/月
※ドバイの方が同等グレードで20〜30%程度安い傾向
食費の比較
- シンガポール
- レストラン:約4,000円/1食
- フードコート(ホーカー):約300〜500円/1食
- 自炊:日本と同程度
- ドバイ
- レストラン:約3,000〜5,000円/1食
- フードコート:約1,000〜2,000円/1食
- スーパーの食材:日本と同等か、品目により割安
シンガポールはフードコート文化が発達しており、安く食べられます。ドバイはスーパーの食材が安いため、自炊派にはドバイが有利です。
1ヶ月の生活費目安
1ヶ月の生活費目安(単身・都心部)
【シンガポール】
- 家賃:30万円
- 食費:8万円
- 交通費:1万円
- その他:5万円
- 合計:約44万円
【ドバイ】
- 家賃:25万円
- 食費:5万円
- 交通費:2万円(車社会)
- その他:5万円
- 合計:約37万円
生活費はドバイの方が月7万円程度安くなる傾向があります。さらに所得税ゼロのメリットを加えると、手取りベースでの生活のゆとりは大きく異なります。
シンガポールは物価世界2位の超高コスト都市です。ドバイも安くはありませんが、所得税ゼロと組み合わせると、手取りで見た生活のゆとりは圧倒的にドバイが上です。
生活環境・インフラの比較
交通インフラ
- シンガポール
- MRT(地下鉄)が発達、車なしで生活可能
- 住民の約83%が公共交通機関を利用
- 車の所有には高額なCOE(車両購入権)が必要
- ドバイ
- メトロはあるが、基本的に車社会
- 車がないと不便なエリアが多い
- ガソリンは日本より安い(リッター約100円)
医療
- シンガポール:世界トップレベルの医療水準
- ドバイ:近年急速に発展、日本語対応の病院もあり
医療水準はシンガポールが上ですが、ドバイも十分なレベルに達しています。
気候
- シンガポール:年間を通じて高温多湿(25〜32℃)
- ドバイ:夏は40〜50℃の猛暑、冬は20〜25℃で快適
気候面ではシンガポールの方が年間を通じて過ごしやすいです。ドバイの夏は屋外活動が制限されますが、室内は冷房完備で快適に過ごせます。
ドバイの夏は確かに暑いですが、モールや室内施設が充実しているので、実際に住んでみると思ったより快適です。むしろ冬の気候は最高で、世界中から観光客が訪れます。
教育環境の比較|子連れ移住の場合
家族での移住を検討している場合、教育環境も重要です。
インターナショナルスクール
- シンガポール
- 学費:年間300〜500万円
- 世界トップレベルの教育水準
- 競争率が高く、入学が難しい学校も
- ドバイ
- 学費:年間100〜300万円
- 選択肢が豊富(イギリス式、アメリカ式、IB等)
- 比較的入学しやすい
教育の質ではシンガポールが若干上ですが、ドバイは学費が安く、選択肢が豊富というメリットがあります。
日本人コミュニティの比較
- シンガポール:日本人約3万人、日本人会・日本語サービスが充実
- ドバイ:日本人約4,000人、コミュニティは小規模だが急成長中
日本人コミュニティの規模はシンガポールが大きいですが、ドバイも近年日本人移住者が増加しており、情報交換の場も増えています。
どちらを選ぶべき?タイプ別おすすめ
ドバイがおすすめな人
ドバイ移住がおすすめな人
- 税金を最小限に抑えたい(所得税0%)
- ビザ取得のハードルを下げたい
- 不動産投資に興味がある
- 中東・アフリカ・ヨーロッパ市場にアクセスしたい
- 起業・フリーランスで活動したい
- 生活費を抑えつつ豊かに暮らしたい
シンガポールがおすすめな人
シンガポール移住がおすすめな人
- アジア市場でのビジネス展開を重視
- 高い月給(60万円以上)で雇用される予定
- 世界トップレベルの教育・医療を求める
- 公共交通機関で生活したい(車不要)
- 年間を通じて安定した気候を好む
- 大きな日本人コミュニティを求める
総合比較表
最後に、両都市の比較を表にまとめます。
| 項目 | ドバイ | シンガポール |
|---|---|---|
| 所得税 | 0%(◎) | 最大22%(△) |
| 法人税 | 0〜9%(◎) | 17%(○) |
| 消費税 | 5%(◎) | 9%(○) |
| ビザ取得 | 容易(◎) | 厳格化(△) |
| 生活費 | やや安い(○) | 非常に高い(△) |
| 気候 | 夏は猛暑(△) | 年間快適(○) |
| 交通 | 車社会(△) | 地下鉄発達(◎) |
| 医療 | 良好(○) | 世界トップ(◎) |
| 教育費 | 100〜300万円(○) | 300〜500万円(△) |
| 日本人数 | 約4,000人(△) | 約3万人(◎) |
まとめ|税金重視ならドバイ、アジアビジネス重視ならシンガポール
ドバイとシンガポールは、どちらも魅力的な移住先ですが、最優先事項によって選択が変わります。
- 税金を最小限に抑えたい → ドバイ
- ビザ取得を確実にしたい → ドバイ
- アジア市場でビジネス → シンガポール
- 教育・医療の質を最優先 → シンガポール
特に、シンガポールのビザ取得が年々難しくなっている現状を考えると、「シンガポールは厳しそう」と感じている方にとって、ドバイは現実的な選択肢となります。
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