ドバイ法人での会計まとめ|必要な手続きや書類、期限についても解説!

ドバイに法人を立てた方が次に直面する課題の一つが「会計」です。ドバイの会計制度は日本とは異なる部分も多いため、初めての方にとっては不安な要素となりがちです。本記事では、ドバイの会計について基礎から順に解説します。


目次

1.ドバイの会計業務で必要な手続きとその締め切り

ドバイの企業は、会計年度の終了後に財務報告を行う義務があります。通常、毎年12月31日を年度末とし、以下のような手続きや締め切りがあります。

法人税対応: 2023年6月1日から施行された法人税制度により、企業は法人税申告が必須です

財務諸表の提出: 年次総会で承認される財務諸表は、指定された期限内に提出が必要です。

四半期報告: 上場企業は、四半期ごとに財務報告を行い、四半期終了後45日以内に提出する必要があります。

税務で必要な作業リスト

法人税(CIT)
  • CIT=法人税事業者登録
    • 2024年3月までに設立されている企業はライセンスの内容に応じて登録が必要です。また、新規設立企業は設立から3ヶ月以内に法人税登録を行う必要があります。
  • 法人税申告・納付
    • 会計年度終了から9ヶ月以内に法人税申告と納付が必要です。
    • 法人税は、2026年末まで各種免税措置が適用され、売上が3,000,000 AED以下の事業者利益が375,000 AED以下の事業者は0%の税率が適用されます。
VAT=消費税
  • VAT/TRN登録
    • 売上が375,000 AEDに達した後、28日以内に登録を行う必要があります。また、売上が187,500 AEDに達している場合も登録が可能です。
  • VAT申告・納付
    • VATは四半期ごとに申告および納付が必要で、税率は5%です。
    • VATの適用はサービス提供地がドバイであることが条件であり、例えばクライアントが日本にいてもドバイでサービス提供を行った場合には適用されます。

2. ドバイの会計の概要

ドバイの会計の基本

ドバイの会計は、企業の財務状況を正確に把握するためのシステムで、企業の経費や収入の管理、税金の申告などを行います。日本の会計制度と基本的な役割は似ていますが、法人税やVATなど税制の違いが多いため注意が必要です。正確な会計処理は法令順守だけでなく、ビジネス判断にも不可欠です。

会計基準の違い

ドバイでは、IFRS(国際財務報告基準)が採用されており、特にNASDAQドバイやドバイ金融市場に上場している企業はIFRSガイドラインに従うことが求められます。日本の基準とは異なる会計処理が必要となるため、企業は専門家のアドバイスを受けることが重要です。


3. ドバイでの会計処理はどうやるの?

会計ソフトの活用

ドバイでは、QuickBooksやZoho Booksなどの会計ソフトが一般的に使用されます。企業の規模や業種に適したソフトを選ぶことで、効率的で正確な会計処理が可能です。また、多通貨管理に対応したソフトは、多通貨取引の多い企業にとって非常に便利です。

外部の会計事務所を利用するメリット

外部の会計事務所を活用することで、税制の変更や新たな法令への迅速な対応が可能になり、経営者はビジネスに専念できます。会計事務所は税務申告手続きを円滑に進め、企業の財務状況を明確に把握するサポートも提供します。


4. ドバイの会計に必要な書類は?

主な会計書類

ドバイで必要な会計書類には、売上帳、仕入帳、領収書、銀行取引明細が含まれます。法人税申告の際には、年次の財務諸表が必要となり、貸借対照表やキャッシュフロー計算書が必須です。

書類の保管方法

会計記録はデジタル形式での保存が推奨されており、少なくとも7年間の保管が法的に義務付けられています。記録を適切に保管することで、監査や税務調査にもスムーズに対応可能です。


5. ドバイの税制と会計の関係は?

法人税の導入

2023年に導入された法人税は、企業利益に基づき課税されます。課税所得375,000 AED以下は0%、それを超える場合は9%が適用されます。正確な会計処理が法人税の適正な算出とリスク管理に直結します。

VAT(付加価値税)の管理

ドバイではVAT(付加価値税)が5%で適用され、四半期ごとに申告が必要です。VATの適用条件は、サービス提供地がドバイであることです。海外のクライアントに対しても、サービス提供がドバイで行われた場合は課税対象となります。


6. ドバイの会計におけるよくある課題

コンプライアンスの理解不足

ドバイの会計や税務ルールの理解が不足すると、罰則の対象になる可能性があり、企業経営にリスクをもたらします。法人税やVATの規制は複雑であり、専門家の助言を得ることが推奨されます。

多通貨取引の管理

ドバイでは多国籍企業が多く、多通貨取引が一般的です。為替差損益の管理が必要で、多通貨対応機能を備えた会計ソフトの利用が効率化に役立ちます。また、為替リスクの適切な管理も重要な課題です。


7. ドバイでの会計を成功させるためのポイント

  • 信頼できる会計事務所の選定:専門家のサポートを受けることで、安心してビジネス運営が可能です。
  • 最新の会計ソフトを導入する:効率的な管理が可能になり、時間とコストを削減できます。
  • 法令順守の徹底:法律の変更や規制に迅速に対応し、罰則を避けることができます。

8. まとめ

ドバイでのビジネス展開には、会計の正確な理解と管理が不可欠です。特に法人税やVATの対応は事業運営の成否に直結します。専門家のアドバイスを受けながら適切な会計管理を行い、法令順守と経営の透明性向上による信頼性の高いビジネス基盤を築きましょう。

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この記事を書いた人

・ドバイ法人Logical XのCOO
・法人設立/海外移住サポートを提供中
・東京大学在学中にインフルエンサービジネス会社を創業。2022年に同社を売却、その後ドバイに移住しLogicalX FZCOに参画

東大在学時に18歳でインフルエンサービジネス会社を創業。その後2022年に同社をは東証プライム上場企業に売却。

その後ドバイに移住し、2社目のLogical Xを共同創業し、COOとして事業運営に当たる。

https://logicalx.co/

1社目に引き続き、YouTubeマーケティングに特に強みを持ち、YouTubeメディアを起点として

・ドバイ移住/法人設立/不動産売買仲介事業
・英語圏向けSEO/YouTube 不動産メディア事業
・YouTube受託事業

などを展開。

加藤宗士Facebook:https://www.facebook.com/KatoSohshi/

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